当時の暮らし。

M井さんが両手で箱をかついで花器や壺などを持ってきた。彼は、かつて愛生園の入所者から譲り受けたものや不用品(だけど資料として価値があるもの)を自身で保管していて、これまでも歴代の「愛生」に様々な書籍、絵画、足踏みミシン…、色んなものを店に持ってきてくれている。おかげで、さざなみハウスにもささやかな暮らしの面影が息づいた。

 

今回は愛生焼。裏面の刻印で誰が作ったかわかるようになっている。中には知ってるBさんのものあって、そこをひっくり返しては誰のかな?ってみていたら、大きな鉢の流れるような刻印の横に、マジックペンのでかでかな「平成三年一月十八日 B野より頂く」という文字。これぞ生活…!思わず笑ってしまったけど、この感じに最近とても見覚えがある。

そうだ、私が実家でもらった大型テレビだ。祖父母が使っていたそれには黒いボディに黒いマジックペンで力強く「H21.9.21購入」と書いてあり、「世界の亀山モデル」シールを当たり前のように貼りっぱなしにしている、あの感じだ。これもジェネレーションギャップと言えるのか。昔の律儀が生み出すマジックコレクション、これからも楽しみにしたい気持ちです。

 

posted : 2021.01.15
喫茶店の日々 長島を歩く さざ波立つ人たち