
2021.2.20・3.7愛生ヲ読ム会【みんなの感想】
2020/2/20
愛生S45 2/3合併~6月号の「第五病棟の彼と彼女達」前浜政子を読了。
前2冊は南条マリ子、後2冊は大野連太郎
前浜さんは五病棟(精神病棟)のナースでその回想録。患者二人とも知的障がいを持ち、南条さんは四国通路で、大野さんは神戸で発見収容、二人の病棟での様子が描かれている。
私が興味を持ったのは特に大野さん。(今も存命)
S27の段階で知的障がいがあり、孤児として、浮浪児として発見され収容。戦中戦後の困難な時代とはいえ、病気を持ち、知的にも障がいのある子供が親に遺棄され、一人で生きていたところを発見され、ハンセン病があるということで愛生へ。そこから本人の長い長い、おそらく一歩も外に出ていない長島での生活が始まった。
彼を見つけた大野さん
長島で彼に関わった多くの職員
捨てざるをえなかった両親
たくさんの人の思い、人生が交差する大野さんの人生、きっと愛生に来なければ…と思ってしまう。
神谷先生の文章を引用しながら前浜さんの優しい視線。温かい気持ちが巧みな筆致で綴られている。(本当はきっと大変だったと思うが…)
それにしても、あまり語られてこなかった精神病棟の様子が改めて理解でき、大変有意義な時間となった。自分では決して語ることができない入所者も数多くいて、彼ら彼女らの人生もまたこの長島に積み重なっていることを改めて感じた。
K
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昭和45年ごろの「愛生」に綴られた精神病棟勤務の前浜政子さんの「第五病棟の彼と彼女達」一冊の本にしていただきたいくらいでした。
知的障がいや総合失調症の方たち、園の中でも当然ながら社会と同じように差別や軽視の目で見る風潮の中、心の中では嵐と対峙しているとよりそう立ち方に、今までの理解より、深く理解させてもらえたと思いました。
異物→弱者となぜ人間の連鎖が生まれるのだろうと考えたいと思います。
Y
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今日の長島は穏やか。海が陽の光でキラキラ輝いています。沖の方で作業していた船がカキのイカダをひっぱって港の方まで移動していきました。
愛生園にある看護専門学校で、心理学と人間関係論の授業を頼まれ、35才の春から週1回通い始めてはや35年。いつの間にか70才(古稀)を迎えました。学校では時々学生あっちを連れ出して戸外で授業(ブラインドワークなど)することもあり、島の自然・歴史にはなじんでいるつもりの私でしたが、ここ「さざなみハウス」に通うようになって、新しい視覚(視界)の発見の多いこと!
「愛生」を読む会もそのひとつ。今日初参加ながら翔子さんの導入で、疋田さんの書かれている連載『詩人・永瀬清子の長島』をまとめ読みさせていただきました。
永瀬さんとはご生前に何度かお会いし、谷川俊太郎さんとのコラボイベントにも参加させていただきました。仲のよかった友人(藤田えり子さん)が晩年の永瀬さんをサポートしていたことや「女の新聞」を復刊したこともあって、勝手に永瀬さんの存在を身近に感じていましたが、今日は疋田さんの連載のおかげで、また少し異なる視点からその生き様に触れることができました。
生家保存の活動をされている友人(横田登志子さん)も永瀬さんの足跡をたどる営みを続けています。来週2月27日には私たちの会(女たちのおしゃべり会2021)でお話しいただく予定。愛生園との関わりについても話したいとおっしゃっています。タイムリーな今日の読む会となりました。
弟の50周年命日にて
K.I
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№171(H18.8.1)
点字愛生50周年記念
S.50.10.11 開園45周年 P38~新良田教室
S60.4 表紙が新良田
(以下、写真)
S